レスリングパワハラ問題

さほど興味のある話題ではないものの、マスコミ報道が内容を正確に報道していないので、日本レスリング協会公式サイトの発表を参考に、一部冗長な箇所を削って一覧にしてみた。

パワハラと認定されたもの

  1. 平成22年2月:NTC(現味の素トレーニングセンター)にて、伊調選手に対して「よく俺の前でレスリングができるな」などと言ったこと。
  2. 平成22年5月:同年11月の広州アジア大会の代表に関し、女子強化委員会は前年の全日本選手権と当年の全日本選抜選手権で優勝した伊調馨選手を外したこと。
  3. 平成22年9月:モスクワ世界選手権でのホテルにて、栄女子強化委員長が田南部力コーチに「伊調の指導はするな」と言ったこと。
  4. 平成27年11月:NTCにて、田南力コーチとVが協会の事業で合宿参加を空けた際、協会の指示ということが伝わっていなかった栄本部長は、合宿中に外出したことを叱責。「目障りだ。出て行け」などと罵倒したこと。

パワハラではないと認定されたもの

  1. 伊調馨選手が女子コーチに無断で男子合宿に参加したことや、男子合宿に参加しながら女子合宿に参加しないことについて批判があたこと。
  2. 男子のコーチに対し、「男子選手に金メダルを取らせることが仕事」として、伊調馨選手の男子合宿参加をどうにかするよう伝えたこと。
  3. 「伊調のコーチをするな。おまえが伊調を見ていると女子のコーチが惨めだろ。おまえは女子のコーチじゃない」などと言ったこと。
  4. ロンドン・オリンピックで、伊調馨選手のサポートメンバーのUが試合会場の練習場に入れなかったこと。オリンピックでは割り当てられるIDが少なく、サポートメンバーはIDを持っていないため。
  5. リオデジャネイロ・オリンピックに向けて、スタート時のG強化本部長は、伊調選手は女子合宿に専念するものとし、男子合宿への参加は認めないことを決めたこと。
  6. リオデジャネイロ・オリンピックの移動に際し、栄本部長とS、Wがビジネスクラスで行ったこと。伊調選手は「自費でビジネスクラスに乗ったのだろう」と理解し、自身はPの勧めで自費でプレミアムエコノミーに変更した。
  7. 平成29年1月ころ、警視庁の監督が伊調選手の所属監督に対して、今後は警視庁に練習に来てもらっては困る旨の話をしたこと。警視庁は部外者である伊調選手に対し、もっぱら好意で練習場の使用を認めていたものであり、伊調選手が同クラブの練習場を当然に使用できるわけではない。
  8. 警視庁が田南部力コーチを外したことは監督としての裁量の範囲内であり、一般企業におけるローテーション、人事異動と同一レベル。この人事異動に関して、栄本部長と打合せがあったことをうかがわせるような事実は認められなかった。

個人的な感想

全体として、栄氏から伊調選手に対して個人的に行った発言に関しては概ねパワハラと認定されている。
しかし、マスコミ等が最も騒いだ栄氏→南部氏に対する叱責はパワハラと認定されていないし、警視庁の練習場所が使えなくなったことは栄氏とは無関係とされている。
この報告書の内容を信じる信じないは別にして、また伊調選手の今後にとってこれの善し悪しも脇に置いて、マスコミや情報番組(笑)はこの報告書を持って鬼の首を取ったかのような顔をしているが、それは完全にミスリードなんではないだろうか?

やはりマスコミは自分たちの思い描いだストーリーありきで報道している。一次資料に当たらなければならない。

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