羽生「一冠」に 王座戦で中村六段が初タイトル獲得
羽生「一冠」に 王座戦で中村六段が初タイトル獲得 自分が将棋の面白さを知るきっかけになった本は米長邦雄著だった。 それからこの著者のちょっとしたファンだった。本当に生き様も含めて破天荒というか、格好いい人だと思う。 亡くなる直前に行われた将棋ソフト『ボンクラーズ』との対戦『プロ棋士対コンピュータ将棋電王戦』で、指し手に選ばれたのが弟子でもある中村大地棋士だった。 米長氏が冗談めいて指し手の条件として話していたのは以下の4点。 将棋が強いこと 真剣に向い合うこと 思考の邪魔にならない人 自身を尊敬している人 これはつまり「将棋が強く常に真摯に勝負に望み、自分と似たタイプで自分の将棋を継承してくれる人」と、つまり自分の軌跡を継いでくれる人ということなんじゃないかと自分では解釈していた。 師匠が無くなった翌年の第61期王座戦。羽生名人と対戦した時の中村棋士の鬼気迫る様子。師匠の思いやいろんなものを背負って戦っているんだろうその姿には本当に感動した。 その雪辱を今回、ようやく果たされたんだろうと思う。 今回の対局はともに応援している棋士同士だったけど、そういうバックグランドも踏まえてとても感慨深く、記憶にとどめておきたい対局だった。 そして、羽生さんは次こそ竜王をとって、七大タイトル全永世位制覇してほしい。