今更ですが、世界一のスパコンは無駄な公共事業でしょうか?

詐欺政党所属の蓮舫とかいう奴の迷言。
 「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?」
2位じゃダメかどうかはさておいて、スーパーコンピューター(センター)の建設は無駄な公共事業かどうかについて考えてみた。

10年来日本がかかっている経済の病「デフレ」には公共事業という特効薬がきくらしい。
1930年代にアメリカがニューディール政策によってすでにその効果を証明しているが、これにういての詳細は省く。

日本で公共事業は諸悪の根源的な、負のイメージで語られがちだが、公共事業の本質は企業が投資できない規模の事業を国が行うことにある。事業である以上、そこに雇用が生まれ、周辺需要が生まれる。また、公共事業の成果物は社会における資産となる。極端に言えば100億円かけて作ったダムは100億円の資産ということだ。

 しかし、日本の公共事業が無駄の代名詞のように言われていることには原因がある。それは、その事業における成果(物)が投資額とトントンか、それいかになりがちな点にある。
つまり、100億円かけてダムを作ってもその価値が100億円に満たないということだ。

では、どうすれば100億円のダムで100億円以上の収益を得ることができるのだろうか?
まず、ダム建設において成果物として何が得られるかを考えてみる。もちろんダム本体はただのコンクリートの塊に過ぎないのだが、例えば発電所を併設している場合はこれが価値のある成果物となる。また、取水口が併設されていれば農業用水が成果物として考えられる。
仮に発電所の価値が40億円で農業用水が40億円、ダム本体の建設に伴う雇用が20億円の価値を持っていたとすれば、この公共事業の成果物はトントンということになる。本来公共事業はこうあるべきである。
しかし、これでは成果物は投資額とトントンにしかならない。では、さらなる付加価値をどう創造するか。
ダムを建設すれば副産物としてそこにはダム湖が生まれる。ではこのダム湖の利用権を一般企業に格安で提供したらどうだろう?企業はここに水場レジャー施設を建設するかもしれない。そうすると、そこにはレジャー産業による雇用と法人税が収入落として加味される。
さらに、このダム湖へ向かう道中には土産物屋ができるかもしれない。また、ダム湖周辺には別荘地ができて、リゾート開発が民間によって行われるかもしれない。
これはかなり楽観的シナリオながら、うまく行けば投資額以上の価値が創造される可能性があるということだ。

しかし、現実にはそううまくは行かない。レジャー施設が流行る保証はないし、ダム建設には環境破壊という負の側面がつきまとう。また、日本には新たにダムを建設する候補地が殆ど残されていない。建設する場所はあっても、発電所や農業用水に需要がないからだ。

ではどういう公共事業が望ましいのだろう?
そこで考えたのがスーパーコンピューター施設だ。例えば先日TOP500で一位に輝いた京は建設費がおよそ1120億円だ。1120億円かけて建設して無駄になるかというと、スーパーコンピューターを利用したい一般企業は山ほどいる。つまり、確実な需要が見込めるのだ。
例えば地球シミュレータの2010年度の稼働状況を見てみる。 施設の稼働状況がオンラインで公開されているが、これによるとほぼ1年を通じて90%以上の稼働率だ。
また、スーパーコンピューターを複数建設して、これまでなかなか利用できなかった企業にも門戸を開けばどうだろう。もしかしたら、それらの企業の中で新たな医療品の開発に成功する企業がでてくるかもしれないし、新たな発見が新たな市場を生み出す源泉になるかもしれない。
楽観的シナリオを描かなくても、需要が十分にあるのであれば投資額を改修することは十分にかのうなはずである。しかも、コンピューター施設は設置されているマシンが老朽化したら取り替えることができるし、技術が進んで集積度が上がればその施設そのものの価値は向上していく。つまり、単なる減価償却財ではないということだ。

ここまで考えた上で、世界一のスパコンは無駄な公共事業かどうか。
少なくとも、これまでの単なる箱モノを作る公共事業に比べれば、はるかに価値のある公共事業ではないかと思う。

時間があるときに、数値情報をまとめて色々試算をしてみたいと思う。

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