核のゴミを地層処分する前に

原子力発電所などから排出される、いわゆる「核のゴミ」については、地中深くに埋めてしまう「地層処分」の候補地をめぐり様々な議論が行われている。核のゴミの問題点はその放射性が数千~数万年かかるものをいかに安全に廃棄/保管するかが議論の前提条件となっている。

しかしこの前提だが、じゃあ例えばこの半減期を短縮するということはできないのだろうか?
実はその研究が京都大学で行われている。

超長半減期廃棄物や中性子吸収が大きすぎて燃料としては放棄されてきたウラン・プルトニウム近縁の核分裂物質に対し人工的に中性子を吹き込み核分裂させることで、熱の回収や半減期30年程度と短い核分裂生成物への変換ができる。これにより数万年に渡る保存が必要な放射性廃棄物の量を削減できる。同様の変換は高速増殖炉でも可能だが、これらは燃料の5%しか超長半減期核種を混入できない。これに対し加速器駆動未臨界炉ならば燃料の60%以上を超長半減期核種とでき、加速器駆動未臨界炉1基で原発10基が排出する超長半減期核種の処分が可能である。また、プルサーマルに使用できなくなった高次化プルトニウムも燃焼可能であり、高速増殖炉無しでも燃えないU238(劣化ウラン)をプルトニウムに変化させて燃やしてウランを有効利用する核燃料サイクルを完成することができる。(加速器駆動未臨界炉 – Wikipedia

つまり、加速器と核のゴミを入れた原子炉を接続し、陽子を外部から打ち込んでやることで核分裂を起こし、半減期の短いものに変化させるということだ。熱エネルギーも取り出せるので発電もできる上に、臨界にならないので危険性も少ない。高速増殖炉がトラブル続きで将来にわたって稼働する目処が立たない今、これは核燃料サイクルを進める上で欠けているピースをまさに埋めてくれる技術ではないだろうか。

こういうことに私達の税金を使ってくれるなら全く文句はないのだが。。。

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