雲の先に

クラウドコンピューティングという言葉がある種のトレンドとなっているが、そろそろその先を見越して考えて起きたいと思う。

クラウドという概念が誕生するまでの流れをまず整理しておく。
  1. 高度な計算をするためにはコンピューターを高性能化したい
    → 汎用機やスーパーコンピュータ
  2. 単体のコンピューターの高性能化には限界があるので、複数のコンピューターで分散して計算をしたい
    → コンピュータークラスター
  3. コンピューターネットワークが拡大してきたので、自動的に自律的にそれらに管理を行い人的リソースを削減したい
    → オートノミックコンピューティング
  4. 1台あたりのコンピューター資源をもっと効率よく利用し、リソースのスケールを柔軟に増減させたい
    → プラットフォーム仮想化
  5. 業務に使うソフトウェアを上記のようなコンピューター環境で実行し、且つそれらを連携させたい
    → SOA
  6. これらの大規模なコンピューターネットワークやソフトウェア等の資源を、使いたいときに必要な分だけ使いたい
    → SaaSやASP
これらの概念や技術の一部や全部を組み合わせたものが、今日のクラウドというもであって、それはまさに雲のように物理的実態ではなく観念的な概念である。

しかしながら、今日クラウドを謳うサービスにおいて、これらの要素の「2」と「3」にあたる分散コンピューティングというものは、実はまだ改善の余地があるのではないかと考えている。
今日のクラウドと呼称するサービスのほとんどは、仮想化されたコンピューターを物理的なホストにマッピングし、それをリッチな管理画面から、相変わらずオペレーターが操作しているだけに過ぎないのではないだろうか。

例えばもっと突き詰めて、スマートグリッドのようなシステムを夢想している。
OSやドライバといったプラットフォームは完全に仮想化されたコンピューター上で実行され、それらは複数のホストの空いているコンピューターリソースを柔軟にマウントして利用する。
しかも、それぞれの仮想化されたプラットフォーム毎の必要とするシステムリソースやそのスケールは、管理システムが過去の経験に基づき自律的に予想し、最適なタイミングで柔軟にスケールアップとスケールダウンを行う。

そこは、実行プロセスという縁起によって初めてコンピューターリソースが認知される空にすぎない世界である。

なんてことを妄想したりしている。もし実現するなら「シューニャ・コンピューティング」とでも名付けたい。

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