「はだしのゲン」は貸し出せないそうです

 松江市教育委員会が、「はだしのゲン」を子供が自由に閲覧できない措置を取るよう市内の全市立小中学校に求めているそうだ。
はだしのゲン「閉架」に 松江市教委「表現に疑問」
 松江市教育委員会が、原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」を子供が自由に閲覧できない「閉架」の措置を取るよう市内の全市立小中学校に求めていたことが16日、分かった。
 市教委によると、首をはねたり、女性を乱暴したりする場面があることから、昨年12月に学校側に口頭で要請。これを受け、各学校は閲覧に教員の許可が必要として、貸し出しは禁止する措置を取った。
 市教委の古川康徳副教育長は「作品自体は高い価値があると思う。ただ発達段階の子供にとって、一部の表現が適切かどうかは疑問が残る部分がある」と話している。
(47NEWS)
  私の記憶が正しければ、この漫画は自分の通っていた小学校でも蔵書していた。貸出も普通に可能だった記憶がある。もちろん、同級生の多くは私も含めて全巻読んだ。いまさら有害図書扱いしますか?
 確かに残酷な場面やいたたまれない気持ちになるシーンがふんだんに盛り込まれていることは事実だと思う。この漫画には事実とは明らかに異なる、作者のイデオロギーに基づいた一方的な表現もあるようだ。しかし、この漫画は小学1年生の私を心から怯えさせ、そして今に至るまで絶対に核兵器は使ってはならないという私の根源的な平和への欲求を与えてくれた。それは生易しいヒューマニズムからくる感傷ではなく、それはおどろおどろしい地獄へ絶対に落ちたくないというある種の恐怖心である。
 私は自衛隊が軍(防衛軍でも国防軍でも構わないが)と明確に定義され、日本国が集団的自衛権を行使できる普通の国になってほしいと願っているような、いささか右寄りと言われる思想を持っている。そんな私でさえも、どんな状況であれ日本国が核武装をすることには反対であり、それと同様にいかなる勢力・国家にも日本国へ核攻撃をさせてはならないと考えている。小学1年生の時に読んだはだしのゲンという漫画は、間違いなくそんな私の思想の根源的な構成元素の一つとなっていることは間違いない。
 もう一度、あえて問題定義したい。はだしのゲンを子どもたちから取り上げることは本当に教育上、正しい選択なのだろうか?そこにある教育思想は本当に正しいのだろうか?

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