日本が抱える問題点とその解決策についての考察１

年金や社会保障の問題についていろいろ報道されているが、政治が最終的にこの問題をどう解決しようと考えているのか、さっぱりわからない。日本が抱えている根本的な問題が何で、最終的にどういう政府のあり方を目指すのか、そのビジョンが示されていない。或いはビジョンが無いのか。

そこで、私が素人なりに考えてみた事を少し書いてみたい。 数値的裏付けはないが…

日本が抱えている問題点

まず、大雑把に現在の日本が抱える問題点を端的に整理すると、こういうことではないだろうか。

1. 歳入が落ち込んでいる
2. 歳出が歳入を上回っている

バカでもわかるくらい端的にいえばそういうことだ。では、 歳入が落ち込んでいる理由は何か？景気が悪いとかいろいろ要因はあろうが、ものすごく根源的な問題は「少子高齢化」ではないだろうか。

1. 高齢化が進むことで、社会保障費が増える
2. 少子化が進むことで、納税人口が減る

高齢化について

まず、高齢化について考えてみたい。
北欧諸国では、日本に比べて寝たきりの老人が少ないという。その理由は社会保障が行き届いているおかげで、老人が皆元気というような単純な話ではない。
欧米諸国ではいわゆる「延命治療」を拒否する人の割合が日本に比べて高いのだそうだ。流動食しか食べることが出来きないような状態になったら、病院でチューブに繋がれるのではなく自宅で静かに最期を迎える。つまり、自然の摂理通り老人は無理に延命せず死んでいくものなのである。
植物人間状態になってベッドの上で死ぬのを待つのと、自然の摂理に従って死んでいくのとでは、はたしてどちらが人間としての尊厳を保っていると言えるのかについては、一度考えてみる価値があると思う。しかし、だから日本の老人もどんどん死ぬべきだとか言うつもりはない。ただ、社会保障費が増大する根源的な要因は、高齢者に等しく支払われる社会保障費であることは間違いない。
そこでひとつ考えてみた。こういうことは出来ないのだろうか？

1. 年金制度を全廃する
2. 医療保険における患者負担割合を、老人は例えば５割等に増額する
3. 生活保護受給資格を引き下げ、老人介護は基本的に生活保護で行う

つまり、裕福な老人もそうでない人も等しい社会保障を受ける制度をやめるということだ。単純に社会保障をバッサリ切ってしまうかわりに、生活保護（という名称も変えなければならないと思うが）を受給しやすくすることで、裕福でない人のセーフティネットを用意する。
消費税という逆進性の高い税制を敷くよりも、よっぽど累進性の高い制度になると思うがどうだろうか。

少子化について

次に、少子化の問題について考えてみた。
現在の社会保障制度や年金の制度は人口が増加していくことを前提としていた。故に少子高齢化社会の到来によって制度改革が求められている。という事は逆に考えれば、「ベビーブームをもう一度」とまでは言わないまでも、十分な出生率の確保によって人口減少を食い止めれば、ある程度現行の制度でも回っていくということだ。そう考えるならば、高齢化の問題以上に歳入が減少しているという問題を解決するのは簡単だ。産めよ増やせよ！
では、どうやったら１組の夫婦が５人も６人も子供を産んでくれるのか。子を持つ親の立場から言えば、以下の点を行政がクリアしてくれるなら明日からさっそく次の子作りを始めても良い。

1. 出産や予防接種等、幼児期に直接必要となる費用の完全無償化
2. 中学校卒業までの医療費の無償化
3. 大学卒業までにかかる教育関連費用の全額融資制度
4. 幼稚園や保育園の完全無償化と、待機児童問題の完全解決
5. 扶養家族が多い世帯に対する税制の優遇

掲げた項目の多くは現在でも実施されているものではあるが、根本的に政治が間違っているのは「かかった費用をあとで返して上げますよ」という考え方だ。上で主張しているのは、全ての直接経費を一次支払をすること無しに行政が負担してくれということ。また、子供が多い家庭には逆に税制の優遇にとどまらず、逆に子供が多いほうが世帯収入が多くなる制度にすべきだ。
そして忘れてはならないのは、夫婦生活が破綻をし、シングルペアレントとなった世帯に対する十分な支援だ。親が安心してどのような仕事でもできるように、子供の面倒を24時間365日いつでも見てくれるような幼稚園、保育園のような施設なり、ソーシャルワーカー派遣制度のようなものを用意する必要があるだろう。

以上が私の「素人なりに考えてみたこと」である。もう少し深く突っ込んでそれぞれの実現性等を考察してみたいが、大枠としてはこういうことである。

子供に投資し、老人から回収せよ