人民解放軍VS大日本帝国海軍

中国初の航空母艦として注目を浴びている「ワリヤーグ」だが、実は空母の本来の役目である戦闘機を艦載できず、「たんなるポンコツ」とか「無用の長物」「くず鉄の集まり」との侮蔑的な評価をする軍事専門家もいる。
(参照:ポストセブン
中国海軍のワリヤーグ(基準排水量55,000t)に関する記事を目にしたが、あまりにその性能が信じがたいものなのでメモしておく。なお、どのくらいすごいのか比較対象として大日本帝国海軍最後の航空母艦「信濃」(基準排水量62,000t)と比較してみたい。

1.航行速度
前述の記事にはこうある。
中国は蒸気タービンエンジンや、さらに進んだガスタービンエンジンを国産化できなかったため、ワリヤーグには船舶用ディーゼルエンジンを装備した。(中略)ワリヤーグの最高速度は19ノット(時速約35km)でしかない。通常の空母よりも10ノット遅いのだ。
19ノット!「通常の空母より~」とかそんなレベルの低速ではない。第二次大戦における帝国海軍の軍艦のなかでさえ、20ノットを下回る船足のものなの聞いたことがない。しかも、蒸気タービンなど第二次大戦前に既に日本では国産化されていた。
ちなみに信濃は蒸気タービン4基搭載で27ノットを出せる性能を持っていた。

2.着艦装置
アレスティングワイヤーと呼ばれるもので、着艦する飛行機がガイドワイヤーにフックを引っ掛けて急制動をかける装置のことである。
ワリヤーグはこれを国産できないため搭載できていないらしい。ちなみにこの装置は既に第二次大戦中に実用化され、信濃はもちろん帝国海軍の航空母艦には基本的に装備されていた。

3.航空母艦以外の使い道は?
航空母艦としては第二次大戦中レベルにすら達していないのであれば、目先を変えてヘリコプターのための母艦として活用できないのか。残念ながらワヤリーグの写真を見ると、カタパルトに傾斜があるためそれも難しそうに思える。このスペースが完全なデッドスペーストなるからだ。

そうなると現実的なのはV/STOL機(垂直離着陸機)用の空母といったところだろう。 しかし、V/STOL機はそもそも垂直離着陸のための形状や装置という「お荷物」を積んでいるので、通常の戦闘機より性能が落ちる。しかも、母艦の速度が19ノットしかないとなると、まさに洋上に浮かぶ標的以外のなにものでもないだろう。

はっきり言って、素人目には中国海軍が何を考えているのかさっぱり理解出来ない。しかし、そこまでアホな国ではないはずなので、もしかしたら記事にある内容はある種の情報操作なのかもしれない。

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